導入事例

チョコ停・ドカ停40%削減!設備管理DXで実現する予防保全の成功事例

株式会社ミロク製作所 様

高知県南国市

  • ミロクルカルテ

  • 従業員数305名
  • 製造業(猟銃・スポーツ銃)

課題

  • 設備の修理履歴や点検情報が紙やExcelで管理されており、リアルタイムでの情報共有が困難だった
  • 故障の発生要因が明確に把握できず、修理の優先順位や対策が適切に決定できなかった
  • 熟練工の経験やノウハウが記録されず、技術継承が進まなかった

効果

  • クラウドベースの記録システムを導入し、設備の状態や修理履歴がリアルタイムで共有可能に
  • 故障のデータが蓄積・分析され、予防保全の精度が向上
  • 作業の可視化により修理タスクの抜け漏れがなくなり、作業効率が向上
  • 熟練工の技術やノウハウをデータとして蓄積し、若手育成にも活用可能に

まずミロク製作所様がどんな会社か教えてください

株式会社ミロク製作所は、1893年に創始者である弥勒蔵次が猟銃製造を始めて以来、本社を高知県に構え、長い歴史と確かな技術に裏打ちされた製品づくりを続けています。
特に、1966年以降、米国Browning社との堅固な技術・販売提携の下で生み出される上下二連銃は耐久性と精密さに優れ「10万発撃ってもガタひとつない」と称されるほど世界中で高い評価を受けています。また、猟銃製造で培った匠の技術は、関連グループ企業を通じて工作機械や自動車用木製ステアリングハンドルなど他分野にも応用され、伝統と最新技術の融合による革新的なモノづくりを実現しています。

DX化に取り組んだきっかけは何でしたか?

当時、当社では将来を見据え、全社的にデジタル化への取り組みを進めていました。その活動の中で、大量の紙のやりとりが発生している業務に着目。製造現場では、設備の修理依頼とその対応業務を行う際に紙伝票を回覧し、多くの人が確認と押印を行うという業務フローになっていました。そのため、修理依頼から実際の修理までに多くの時間がかかるという課題がありました。ここを改善しようと考えたことが、設備保全業務のDXに踏み切った大きなきっかけです。

デジタル化で現場の作業はどう変わりましたか?

以前の紙伝票のやり取りでは、設備の修理状況の“見える化”が十分ではありませんでした。修理の進捗や修理を行う生産技術部員の業務負荷が分かりにくく、過去の故障や対応情報を有効活用した修理もあまりできていませんでした。結果として、トラブルが起きた時も、各部署や担当者がそれぞれ対処していて、状況を正確に把握するまでに時間がかかることが多々ありました。
しかし、デジタル化を進めることで、タブレットやPCから即座に設備の稼働状況や修理履歴を確認できるようになりました。遠隔地からでも状況を把握でき、情報共有もリアルタイムに行えます。これによって、作業効率が大幅に向上し、故障が発生した際の迅速な修理対応も可能になりました。

故障データを分析することで、どんな変化がありましたか?

生産技術部は工場内のあらゆるトラブルに対応しており、日々の業務で手一杯だったため、なかなかデータ分析や改善にまで手が回っていませんでした。ですが、今回のDX推進によって故障データを蓄積・分析できる仕組みが整ったことで、設備ごとのトラブルの傾向が明確に見えるようになりました。
例えば、ある設備で起こるトラブルには共通点があることが分かり、それに合わせて点検項目を見直すことで、故障の予防対策を進められるようになりました。
また、今までは経験や勘に頼っていた判断も、実際のデータを根拠にすることで説得力が増し、効率的かつ的確な検討ができるようになっています。設備を更新するべきか、それともメンテナンスを強化して既存設備を維持するべきかといった経営判断にも、データが役立っています。

作業の進捗管理はどのように変わりましたか?

以前は、修理や点検作業の進捗状況を把握するために、修理担当者へ直接問い合わせる必要があり、保全管理者・保全担当者も修理を依頼する製造部門も互いに手間と時間がかかっていました。どの作業がどこまで進んでいるのか、あるいは何が原因で滞っているのかなどを把握するのに時間がかかり、対応の優先順位をつけ難い状況でした。
作業ボードを導入してからは、進行中の作業、完了した作業、遅延している作業が一目で分かるようになり、保全管理者・保全担当者・修理を依頼した製造部門が同じ情報をリアルタイムで確認できます。その結果、問い合わせに割く時間が減り、管理者は状況を見極めながら的確に優先度を付けられるようになりました。必要な資源や人員の割り振りもスムーズになり、全体の作業効率が大きく向上しています。

タスクの抜け漏れを防ぐために、どんな工夫をしていますか?

以前は、紙のメモや口頭でのやり取りが中心だったため、「誰がどの作業を担当しているのか」「この修理は完了したか」といった確認に手間がかかり、タスクの抜け漏れが発生しやすい状況でした。特に、現場が忙しいと作業記録が後回しになり、記録抜かりや記録の重複が起きることもありました。
現在は、すべての修理履歴をクラウド上に記録するようにしたことで、進行中や未対応のタスクがリアルタイムで見えるようになりました。作業の抜け漏れを防ぐだけでなく、次に何をすべきかがすぐに分かるので、業務の引き継ぎやチーム内の連携もスムーズになっています。「やったはず」「聞いたはず」といった曖昧さがなくなり、安心して作業を進められる環境が整ってきました。

熟練工の技術継承にはどんな効果がありましたか?

これまでは、先輩や熟練社員の現場での仕事ぶりから教わる「背中を見て学ぶ」スタイルが主流で、個人の経験や勘に大きく依存していました。しかしDX化を進める過程で、熟練の方がしっかりとノウハウを記録・共有する文化が根付き、必要な情報を検索して参照できる仕組みが整いつつあります。
若手社員にとっては、現場で直接学ぶだけでなく、デジタル上に記録された情報をもとに判断して修理に取りかかれるようになりました。熟練者が引退する前にノウハウを集約し、それを共有しやすい形でデータとして残しているので、若手がそこから自由に学べることは非常に大きいです。実際に、若手からは「熟練者の貴重な情報がわかりやすく記録されていて助かる」という声が多く上がっています。

今後、このシステムをどのように活用していきたいですか?

今後は、これまで蓄積してきた故障や点検のデータをさらに活用し、予防保全のレベルを一段階引き上げていきたいと考えています。現在は、AIを活用して月次の分析レポートを自動で作成していて、MTBF(平均故障間隔)やMTTR(平均修復時間)といった保全指標も可視化できるようになっています。こうした客観的なデータをもとに、どの設備を優先的に対処すべきか、設備のどこにリスクが潜んでいるのかが分かるようになりつつあります。
特に、故障の頻度が高い設備については、以下のような取り組みを確実に実行し、再発防止につなげていきたいと考えています。

 ● 定期メンテナンスを計画的に実施する
 ● 予備部品を事前に確保しておき、在庫切れを防ぐ
 ● 部品の交換サイクルをデータに基づいて標準化する

こうした仕組みを整えていくことで、突発的なトラブルに追われるのではなく、設備故障を未然に防ぐ体制にしていきたいと考えています。結果的に、ダウンタイムの削減や保守工数の最適化にもつながり、現場全体の安定稼働に貢献できると期待しています。

システムをさらに発展させるために、何が必要だと考えていますか?

このシステムは非常にわかりやすく設計されているので、導入当初から現場の負担にならない操作性が強く意識されていると感じています。その点が現場でのスムーズな定着につながったと思います。
今後さらに技術が進化していく中で、たとえばチャット形式でリアルタイムにやりとりができたり、「今何かお困りですか?」とシステム側から自然に声をかけてくれるような仕組みが実現すれば、より一層安心感を持って運用できるようになると思います。
設備保全も、従来の「直す」から「止めない」へと考え方が変わってきており、私たちもそれに合わせて、より計画的・戦略的な管理に取り組んでいきたいと考えています。今後のさらなる進化にも、大いに期待しています。

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